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キャンパスライフ
2025.02.28
大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で注目。蔦屋重三郎・喜多川歌麿コンビの本で、本物の江戸文化に触れる!

みなさんこんにちは。日々の学園生活の中で本物の芸術に触れることで感性を磨く「本物教育」に力を入れる聖徳大学の川並弘昭記念図書館には多くの貴重な文献が収蔵されています。今回はその中から、2025年NHK大河ドラマで注目を集める蔦屋重三郎が出版を手掛けた狂歌絵本を紹介させていただきます。聖徳大学文学部の松本麻子先生の解説で、楽しく古典文学に触れましょう!
解説:文学部 文学科 松本麻子先生
狂歌絵本『潮干(しおひ)のつと』とは?
狂歌絵本『潮干のつと』は蔦屋重三郎が版元となり、寛政元年(1789年)に刊行されたと考えられています。編者は狂歌師の朱(あけ)楽(ら)菅(かん)江(こう)、喜多川歌麿が絵を手がけています。聖徳大学にはこの本が2冊、収蔵されています。
狂歌は和歌の一種ではありますが、社会風刺や皮肉を込めたり、古典的な和歌や物語のパロディーになっていたりと、遊び心があふれているところが特徴です。蔦屋重三郎が活躍した時代は「天明狂歌」と呼ばれる狂歌の黄金期で、たくさんの本が作られました。その中でも絵に重点を置いたものが狂歌絵本です。『潮干のつと』は喜多川歌麿の手がけた狂歌絵本三部作の一つで、『画本虫撰(えほんむしえらみ)』『百千鳥狂歌合(ももちどりきょうかあわせ)』に続くものです。平安時代の和歌の名人といわれる「三十六歌仙」をもじった36人の狂歌師が、貝をテーマにした狂歌を寄せています。美しい錦絵(多色刷りの絵)と狂歌を融合したのは、版元である蔦屋のアイデアで、彼の数ある出版物の中でも代表作の一つとされています。
「蔦屋重三郎」の名前が確認できます
2冊の『潮干のつと』を比べてみると
江戸時代の本や錦絵は、版木といわれる木版を使って印刷されていました。錦絵などの多色刷りのものは、色ごとに絵柄の異なった木版を彫り、何度も重ね刷りすることで完成させます。多色刷りの錦絵はこの時代から出版されるようになったのですが、特にこの『潮干のつと』は豪華な本のため、貝を描く際には雲母の粉末を用いた雲母刷りが用いられています。だから、見る角度によってキラキラ光ったり、色合いが違って見えたりするのです。聖徳大学が収蔵する2冊の『潮干のつと』は、刷られた時期が違うもので、見比べると色や模様に差が見られます。⼀般的に初刷りでは絵師がどんな⾊を使っ て欲しいか指⽰します。どちらが歌麿の好みに近かったのでしょうね。
さあ、間違い探しです!下の2枚の絵、どこが違うか分かりますか?よーく探すと、何カ所か違うところがありますよ。
並べてみると、全体的に色彩が違うことが分かります。
企画展でも、授業でも。「本物」に出会える環境
そして、学生だけでなく多くの方々に「本物」
「和のうた、和のこころ」3月3日(月)より聖徳博物館で展示スタート!
※詳細はこちら
松本先生、お忙しいところ、特別講義をありがとうございました。今回ご紹介いただいた絵本は、どちらも版画とは思えないほどの、はっきりとした発色で、オーラすら感じる作品でした。それもそのはず、お値段は新車が買えるくらいとのこと!みなさんにもいつかお見せできることができれば幸いです。
聖徳大学収蔵名品展「アンデルセン 作品と人生」開催中!
※詳細はこちら
次回3/23(日)のオープンキャンパスに参加し、展示会も楽しんでください! 
楽しい企画いっぱいでお待ちしています。
ライタープロフィール
M.Y
都内在住。スポーツ大好き、食べるのはもっと大好きなアラサー女子。松戸の魅力をご紹介します!
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